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健康講座 第二弾 がんと闘う、新時代のがん治療

令和元年9月14日(土)に鷺山公民館にて、健康講座 第二弾が開催されました。

講師には、岐阜大学大学院 腫瘍制御学講座 腫瘍外科 臨床教授、岐阜大学医学部附属病院乳腺外科長の二村 学先生をお招きし、『がんと闘う、新時代のがん治療』と題して講話を頂きました。

その講話の前には、北部ふれあい保健センターと岐阜市包括支援センター北部の協力により骨密度と血圧測定が行われました。

二村先生の御専門は乳がんということで多くの女性の皆さんが講座に参加されていました。

がんという病気は、現在では11人に1人が罹患する国民病となりました。その一方で昔感じられた不治の病というイメージから、早期発見出来たら完治することが出来る病気に変わってきたそうです。そのため、一人一人が早期発見に向けたどのような取り組むが必要なのか丁寧にお話頂きました。

あらゆる病気は『遺伝要因』と『環境要因』の2つの要因が絡みあって発症するそうです。その中でもがんという病気は、遺伝要因と環境要因の両方の影響を受ける中で発症するそうです。傷ついた遺伝子による遺伝要因は排除することは困難ですが、環境要因を改善することで、できる限りがんを罹患しないようにすることが私たちに出来る最大の予防ということです。

予防、早期発見に対する対策としても、それぞれの年代によって発症しやすいがんの傾向が異なります。消化器系のがんが年齢を重ねた40歳以降から発症率が高くなるのに対して、子宮頸がんや乳がんは、30歳~40歳ぐらいの比較的若い時期に発症しやすいがんという特徴を持つことから、この世代のかたが、乳がん検診、子宮頸がん検診を受けることの重要だそうです。

特に、乳がんについては、再発すると根治が難しいという特性があることから、早期発見、早期治療が非常に重要だと話されていました。幸い、乳がんは消化器系のがんとは異なり、乳房等日頃触ることでしこりの発見等により、自分自身で確認することが出来るので、比較的早期発見の確率も高いそうです。また、乳がん患者の内、男性も1%程度占めることから、女性だけのがんということではなく、注意しておく必要があるということでした。

なお、乳がんの中には、5~10%は遺伝性の乳がんが含まれているそうです。これは、遺伝子の中にBRCA1遺伝子とBRCA2遺伝子の異常によって発症するがんだそうです。女優のアンジェリーナ・ジョリーさんがこの遺伝子の異常を保有する一族とういことを公表し、発症前に乳房の予防切除を行ったことは有名な話です。

更に、現在ではがんゲノム医療と呼ばれる遺伝子解析を行った上で、より効果的な治療方法をカスタマイズしていく取り組みも始まったいるそうです。現段階では、がんゲノム医療が万能な対策とはなっていないそうですが、これから治験を重ねていく中でどんどん進んで行く分野ではないかとその可能性が感じられました。

遺伝子レベルでの対策の時代を迎えたがん治療。これからの医療は本当に進んで行くのだろうと感じられた講座でした。