平成２８年５月２８日(土)に鷺山公民館にて「これだけは知っておきたい相続の基本」と題して、公民館講座が開催されました。

皆さんの関心も高く、当初予定していた５０部の配付資料もあっという間に無くなってしまうほどの大盛況。

これからのことも考えるよい機会として多くの皆さんが御参加されました。

講師には、ＮＰＯ法人Ｌｉｆｅあんしんねっトに所属されている司法書士の熊田健治さんをお招きして相続のための基本事項を教えて頂きました。

近年、高齢社会を迎えるに当たって、相続に関するトラブルが増加しているそうです。それも１０００万円～３０００万円程度の相続でのトラブルが非常に多く、そのようなトラブルにならないためにも相続財産をどうするのか今のうちから準備をしていくことが重要だそうです。

相続財産となるものの代表的なものとしては、不動産、現金・預貯金、株式、国債、投資信託、生命保険、車、貴重品、家財道具、その他債権などがあります。

いざ、相続をすることになると、このすべての財産を調べ上げる必要があります。これには本当に大変な時間と労力がかかるため、前もって財産の把握、整理をしておかないとトラブルの素になります。

相続する不動産がどれだけあるのか分からないときなどは、岐阜市の資産税課で「名寄帳」を閲覧することで、岐阜市内の不動産については把握できます。

銀行等の預貯金についても、口座の整理を進めていくことが重要です。

また、近年、お子さんがお見えにならない方の相続のケースも増えており、そのような場合、配偶者と兄弟姉妹との相続になります。このようなケースはトラブルになる可能性が高いそうです。

社会の状況か変化する中で、相続に関わるトラブルも多様になっているみたいです。

そのようなトラブルを少しでもなくすようにするために「自筆証書遺言書」や「公正証書遺言書」を作成することが重要です。日本人の遺言書の作成割合は非常に低いのが現状です。

だからこそ、今のうちに遺言書を作成して相続の準備をしておくことが、いざ相続に直面した遺族の皆さんのトラブルをなくす方法の一つだといえそうです。

岐阜市だと、公正証書遺言書を作成するためには、ＪＲ岐阜駅西アクティブＧ内にある岐阜公正人合同役場に行く必要があります。

皆さんもいざという時のために、遺言書の作成を考えてみてはいかがでしょうか！

また、多くの人が勘違いをされていることととして、「遺産分割」と「相続放棄」についてです。「相続放棄」とは、相続財産を相続する親族等に「私は財産を放棄する」旨を宣言するだけものではありません！

相続放棄する場合は、自分自身が相続することを知ったときから３ヶ月以内に、裁判所に相続放棄に関する届けを出さないといけないのです！

これを勘違いしていると、大きなトラブルになることがあります。いきなり、ある日突然、とんでもない債権に対する支払いが迫られる場合もあります。ご注意を！

相続については、いざその場面に直面しないと分からないことが色々あります。できるだけトラブルを避けるためにも、相続に関する手続き等については、弁護士や司法書士に、相続税に関することは税理士や公認会計士等専門家に相談することがいいです。多額の相続財産を抱えている人こそ、事前に相談、準備をしておくことが本当に重要です。

皆さんも、ちょっとご自身の身の回りのことを振り返ってみてはいかがですか。