令和元年6月1日(土)~2日(日)に鷺山小学校体育館にて、鷺山校区子ども会育成会主催 防災キャンプが開催されました。
今回の防災キャンプでは、最初に鷺山小学校PTA保健体育委員、単位子ども会長、自治会連合会役員、岐阜市北消防団鷺山分団の皆さんと一緒に、岐阜北消防署の皆さんの指導の下、普通救命講習Ⅰを受講しました。
普通救命講習では、要救助者を発見した際に行う心肺蘇生法やAEDの使用方法等、いざという時に役に立つ様々なことについて学んでいきました。まずはじめにどのように救命を行うのか署員の皆さんが見本を披露しながらポイントを説明してもらいました。その後、参加者が住んでいる地区別にグループを作って実技講習を行いました。
実技講習では、インリーダー生も一生懸命心臓マッサージやAEDの訓練に取り組みました。友だち同士、親子で力を合わせて取り組む姿も見られました。
その他、署員の皆さんからは、要救助者に人工呼吸をする際に舌が沈み込んでいる様子を示して気道を確保する事の重要性を教えてもらったり、喉を詰まらせて苦しんでいる人を助ける方法、止血をする方法、要救助者の意識が戻ったときの寝かせ方など様々なことを教えてもらいました。
救命講習の次には、新聞紙を使った使い捨ての容器の作成方法について、鷺山女性防火クラブの皆さんから教えてもらいました。防災キャンプで使用するため、カレーライスを盛り付けることが出来るよう丈夫な容器を作っていきました。折り込んだ新聞を処理するところで苦労するところもありましたが、女性防火クラブの皆さんが丁寧に指導してくださいました。
さぁ、いよいよ避難所開設訓練の開始です。鷺山小学校グラウンド東側に設置されている防災倉庫から使用する資材を体育館に運び入れていきました。折りたたみ式のリヤカーを組み立てて、段ボールの間仕切りや、コンロ、投光器など避難所で使用する資機材を手分けして運び込みました。
この日宿泊する体育館内では、体育館に備え付けられているグリーンのマットや防災資材の銀マットを敷き詰め、その上に段ボールやビニールの間仕切りをセットしていきました。
また、避難所で大変困るのがトイレの問題です。倉庫に保管されている簡易トイレの組み立て方を岐阜市防災対策課の古賀 幹朗主任に説明してもらいながら組み立て訓練を行いました。組み立てた簡易トイレは結構丈夫に出来ており、安心して座ることが出来ました。
屋外のマンホールを活用した簡易トイレの設置場所についても説明をしてもらい、いざという時には各所にといえれば設営できることを教えてもらいました。
避難所開設を行っている作業と同時並行で鷺山小学校のピロティでは、食事の準備が進められました。この日の夕食はカレーライスです。ゴミを減らすために、ジャガイモやニンジンは皮ごと調理に使いました。火が通りやすいように野菜は出来るだけ細かく切っていきました。
大きなお鍋で野菜や豚肉を煮込んでいき、カレーを仕上げていきました。また、子ども達にはデザートとして缶詰果物を使ったフルーツポンチも準備しました。
調理を終えたら配膳の開始です。先ほど参加者全員で作成した新聞紙の使い捨て容器に、手分けしてアルファ米とカレーをよそっていきました。
全員にカレーライスが行き渡ったところで、インリーダー生の合図と共に、夕食を頂きました。何杯もおかわりをする参加者もいて、お腹いっぱいになる事が出来ました。実際の避難所だとこれほどおいしい御飯をお腹いっぱい食べられることはないのだろうと考えながら、食事が出来ることに感謝しながらスプーンを進めていきました。
夕食の後には、以前青山中学校に勤務されていた岐阜市科学館の宮田先生に天体観測の指導を頂きました。子ども達にとってはとても興味深い講座となり、小学校グラウンドにセッティングされた望遠鏡を覗いて、岐阜で観察が出来る一等星や二等星を観察していきました。
1日目の活動が終了し、宿泊者全員が集まってこの日の振り返りを行いました。防災資材の組み立ての大変さや、いざ災害が起きたときにどのような状態になるのか心配になるといった意見もだされてこの日の活動を終了し、就寝しました。
2日目の朝は、ラジオ体操でスタートです。鷺山体育振興会に所属する古田 雅義さんと梅田 道洋さんに指導を頂きながら、体育館の堅い床で就寝して凝り固まった体をほぐしていきました。
朝食は、避難所での御飯を想定して、アルファ米の味付御飯と即席みそ汁を頂きました。使い捨て容器にアルファ米を盛り付けて、参加者に配膳をしていきました。
全員が揃ったところで、インリーダー生に合図をしてもらい食事がスタートです。前日の夕食とは異なり、質素な食事でしたが、インリーダー生が一生懸命準備してくれた食事はおいしく頂けました。
食事を終えると防災キャンプも終盤となり、避難所で使用した資材の片付けを行いました。使用した資材を壊さないように丁寧に片付けていき、使用したフロアーを丁寧に掃除していきました。
防災キャンプの最後には、全員で車座に集まって、防災キャンプ全体の振り返りを行いました。参加されたインリーダー生の親子にそれぞれ感想を発表してもらいました。『いざという時に避難所で過ごすために各家庭で何を準備しておく必要があるのか考えさせられた。』『プライバシーがあまり確保されない中、長期で過ごす際にどのような準備をする必要があるのか家族で話し合っていく。』『参加してくれる輪を広げて、避難所体験を多くの人にしてほしい。』など、それぞれの視点から多くの意見が発表され、鷺山自治会連合会の患部の皆さんに伝えることが出来ました.
いつ災害が起こるかは、予想できません。しかし、この活動を通して学んだ避難所開設の資材の使用方法、食事の準備、宿泊したときに感じたいつもと違う環境での睡眠で感じたことなど、多くのことが、参加者の意識に変化を与えてくれたのではないかと思います。この活動に参加したインリーダー生の皆さんが、将来鷺山を引っ張っていくリーダーに成長していってくれることを願うばかりです。
今回の防災キャンプの開催にあたり、鷺山自治会連合会、岐阜市北消防団鷺山分団、鷺山水防団、鷺山女性防火クラブ、赤十字奉仕団鷺山分団の皆さんには大変お世話になりました。有難うございました。